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事例から学ぶ!「企業間連携」

商店街・まちづくり
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経営資源に限りがある中小企業・小規模事業者にとって、「企業間連携(事業者間連携)」は、様々な成果が期待できる取り組みです。

企業間連携には、勉強会・研究会等といった情報共有のレベルから、共同研究開発・共同ブランド開発・共同仕入・共同生産・共同販売まで、様々なカタチがあります。

連携によりお互いの経営資源の不足を補いあうことで、自社の強みにさらなる磨きをかけ、新商品や新サービスの開発、経営効率の向上、コストの削減、販路の拡大等につなげることができます。

今回は、ミラサポplusの「事例ナビ」から「企業間連携」に関わる事例について、ご紹介します。

企業間連携 イメージ

異業種とのコラボで、自社商品の付加価値を高める

企業間連携の一つが「コラボ商品」です。最近コンビニなどで、菓子メーカーと有名シェフがコラボしたスイーツや地元ラーメン店とコラボしたカップ麺などを見かけた方も多いと思います。

このような異業種・異分野とのコラボ商品は、自社の商品・サービスに新たな価値をプラスし、競争力を高める効果があります。

福岡県福岡市の料理教室では、宮城県の水産加工会社と連携し、「お魚販売+(オンライン)料理レッスン」という新しいスタイルの講座を開講しました。これは、受講者の自宅に教材となる魚を直送し、オンラインで料理レッスンを行うというもの。その反響は大きく、オンラインであることも利点となり、全国から受講者を集客することができました。

「お魚販売+オンライン料理レッスン」を開講した料理教室

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感染症流行の影響により対面での料理教室の開講が難しくなり、オンライン教室への切り替えを余儀なくされる。こうした中、売上げに大きな影響を受けた水産加工会社と連携したオンライン教室の講座を開始。同講座の生徒の自宅に同水産加工会社から教材の魚が直送されることで魚の売上げにつながるとともに、日本全国どこからの受講でも同じ魚を使ってレッスンができるようになり、双方にとってメリットがあった。同講座は開始から5か月間で335名が受講するなど大人気となったほか、講座内容の充実にもつながっている。

埼玉県秩父市の旅館は、コロナ禍からの売上回復のために、地域の企業・事業者と連携した宿泊プランの開発を進めました。地元の創作料理店と連携した朝食プラン、人気パティスリーの焼き菓子付きプラン、タロット占いやエステ付きプランなどのコラボ企画を開発。Instagramでも発信し、30代女性を中心に集客につなげています。

地元事業者と連携した「宿泊プラン」をSNSで発信

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感染症流行下において、地域の事業者と連携した取組に力を入れた。地元の創作料理店と連携し、朝食を二十四節気にちなんだ内容に磨き上げ、2週間ごとにメニューが変わるようにした。また、タロット占いやエステ付きプランなど地域の様々な事業者とコラボレーションした宿泊プランを企画。 こうしたコラボレーションの様子をインスタグラムで発信したところ、30代女性を中心とした利用客から口コミで高評価が広がり、2020年6月の営業再開後も順調に予約が入った。

連携により、エンドユーザー向け製品を開発

企業間連携のきっかけの一つになるのが、新たな顧客層をターゲットにした商品・サービスの開発です。よくあるのが、企業間取引(BtoB)が中心だった企業が、一般消費者向け(BtoC)の商品開発にあたって連携するケースです。

新潟県上越市の金属加工メーカーはメッキ処理技術を強みに事業を展開してきましたが、コロナ禍で受注が減少。そこで、地域のチタン製造企業・市内加工業者・デザイン会社と連携し、自社の表面処理技術を活かしたカラフルなチタン製文房具を開発。エンドユーザーの販路開拓にあたっては、支援機関等の支援を受けました。

表面処理技術を活用した、カラフルなチタン製生活道具の開発

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感染症の流行により売上高が一時的に半減し、新たな事業の柱を構築する必要性を感じていた同社社長。地元の製造業者等が出席する勉強会で市内にチタン製造トップシェアの大手製造業があることを知ると、チタンを活用した自社製品を開発し、BtoC市場への参入を決意。市内事業者等と連携し、情報とノウハウを共有しながら研究を重ね、自社ブランドを立ち上げた。ブランド商品第一弾でクラウドファンディングを実施すると、初日で目標金額を達成。今後も他社と連携しながらノウハウを積み重ね、自社ブランドを収益の柱に育てていく。

秋田県の木工加工事業者は、全国のレストラン等で使う業務用の「トレー」や「お盆」を製造していましたが、販路拡大が課題でした。そこで企業間連携により、エンドユーザーをターゲットにした新商品を開発。地域の鉄工所と連携した「酒器」や「椅子」、建具職人と連携した「組子お盆」などを、インターネットなどで販売しています。

鉄工所・建具職人と連携した木工製品の開発

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これまで卸業者への販売が売上げの殆どを占め、その販売先も1社に依存している事が課題だった。その課題解決のため補助金を活用し「旋盤機械の導入」と「木材食器類の開発」、「ワークショップの開催」に取り組む。具体的には、地元木材をベースに地元異業種(鉄工所や建具店)との連携によるコラボ商品など、独自の商品開発に取り組み、また「五城目町職人工芸体験ツアー」において木工体験をしていただきながら、個人や企業との直接取引を増やす事が出来た。

同業種が連携し、経営効率化と販売力強化を図る

異業種・異分野の企業間連携で多いのが、新分野の商品開発、新たな販路・チャンネルの開拓などを目的とするケースです。

一方、同業種の連携の場合は、経営資源を共有化することで、経営の効率化、生産性の向上、コストダウン等を図るために行われることが多くなっています。また、大地震等で万一被災した時の代替生産先の確保という、「BCP(事業継続力強化計画)」の側面から企業間連携をすすめる事業者も増えています。

宮城県女川町の水産加工業者は、経営の効率化とブランド力の強化を目的に、地域の同業者と販路の共有・設備の共有・ノウハウの共有・人材資源の共有・原材料の融通の5つについて業務提携を結びました。この連携により、一括仕入による原材料費の大幅なコストダウン、新規取引先の獲得など、様々な効果が表れています。

地域の同業者と経営資源を共有し、経営を効率化

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水産加工業を営み、駅前の商業施設に直営の物販店も展開していたが、感染症の流行により売上げは急激に落ち込んだ。2020年5月、以前から親しい付き合いのある地域の同業者の株式会社鮮冷と、経営効率化と販路拡大などを目指し業務提携契約を結んだ。 仕入量が圧倒的に多い鮮冷に一括仕入れしてもらうことで原材料費が下がり、粗利が拡大した。また、営業時に互いのパンフレットを持ち合うなど連携して販路拡大に努めたことで、マルキチ阿部商店は新規取引先を開拓できた。

宮城県の石巻市では、水産関連企業10社が参加し、共同で商品開発・販売を行う株式会社を設立しました。地元の海の幸を活かしたお茶漬け等の共同で開発し、製造についても各社の工場を「バーチャル共同工場」に見立てて、生産設備・ノウハウを共有。また統一ブランドで販促を効率化し、販路拡大を進めています。

工場・販路の相互活用という連携の強みを最大限に発揮

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2013年、東日本大震災で大打撃を受けた石巻市の水産業を再生するため、地元の水産関連企業が連携し、商品開発や販路拡大に向けたイベント等の企画運営を行う「石巻うまいもの発信協議会」を発足。2016年には「石巻うまいもの株式会社」が設立された。同社では、工場・販路の相互活用という連携の強みを最大限に生かし、共に商品開発に注力。主力のお茶漬けは、国際線の機内食に採用されるなど知名度を上げ、地元百貨店の贈答用や空港、新幹線駅の土産物、通販により、売上げを拡大している。

地域課題の解決につながるビジネスモデルを創出

地域社会・地域産業は、様々な課題を抱えています。このような地域の課題を解決するために、中小企業・小規模事業者が連携して、新たなビジネスモデルを創出している事例があります。これは、地域における企業間連携の重要な役割の一つです。

徳島県徳島市では、少子高齢化や公共交通機関の弱体化等により、「買い物弱者」が増えつつありました。この課題を解決するために、移動スーパー事業者(本部)と地域スーパー、販売パートナーの三者が連携し、買い物客宅を巡回する移動スーパー事業を行っています。

販売パートナー、地域スーパー、本部が連携した、移動スーパー事業

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「買い物弱者」の増加に問題意識を感じた現社長は、移動スーパー事業を手がける新会社を設立。同社と地域スーパー、移動販売を行う個人事業主の三者が連携して、互いに利益を分配するビジネスモデルを構築した。現在は支援機関や自治体との連携も進め、事業を全国へ拡大。商品販売だけでなく、地域住民の交流の場や高齢者の見守り役としての役割も果たしている。

和歌山県田辺市のベンチャー企業は、山林の管理放棄による土砂災害リスクを抑止するために、循環型の観葉植物栽培キットを開発。これは、購入者に広葉樹「ウバメガシ」のドングリを苗木になるまで育ててもらい、2年後に皆伐地に植林してもらう商品です。その趣旨に賛同した林業事業体や自治体と連携しながら、事業を進めています。

林業事業体や自治体と連携し、循環型の観葉植物栽培キットを開発

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社長は、2021年に和歌山県田辺市に完全移住。屋号で行っていたソマノベースを法人化し、「MODRINAE」(モドリナエ)の販売を開始。これは、購入者に広葉樹「ウバメガシ」のドングリを苗木になるまで育ててもらい、2年後に皆伐地に植林してもらう商品で、植林による災害リスクの低減や、購入者が森林に関心を持つきっかけとなっている。「MODRINAE」のメディア露出後は、企業からの問い合わせが増加したほか、各地の林業事業体や自治体との連携の幅を広げている。

企業間連携をすすめるために

企業間連携(事業者間連携)には、お互いの強みを持ちよることで新しい付加価値を生み出したり、経営資源を共有化することで経営を効率化したり、様々な効果があります。その前提となるのが、企業・事業者間の信頼関係であり、お互いにメリットのある「WIN×WIN」の関係です。

このような関係を築くためには、日ごろから様々な分野の企業・事業者とコミュニケーションを深めておくことが大切です。たとえば、商工会議所・商工会等のセミナー、金融機関の交流会、業界の勉強会・研究会等への参加をきっかけに、連携相手が見つかることもよくあります。

各都道府県の「よろず支援拠点」等の支援機関にアドバイスを求めるのも良い方法です。支援機関には、様々な経営課題を抱えている企業や事業者が相談に訪れています。そのなかには、課題解決のために企業間連携を求めている企業・事業者もいます。支援機関への相談をきっかけに連携が実現したケースも珍しくありません。

また、ビジネスマッチングサイトを利用することも、一つの手です。中小企業基盤整備機構が運営するビジネスマッチングサイト「J-GoodTech(ジェグテック)」では、連携相手を探している国内外の企業を検索することができます。

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