パスワードリセット

閉じる

パスワード変更用のURLをお送りいたしますので、ご登録いただいたメールアドレスを入力してください。
※GビズIDやSNSアカウントをお使いの場合は、各々のサービスでパスワードを変更ください。

メールアドレス入力

消費動向データに見る、withコロナのトレンド

  • 2021年02月22日
  • 商業・地域サポート
  • 最終更新日:2022年10月03日
 

(中小企業庁 稲垣)

 

事業者のみなさま

 

新型コロナウイルス感染症(以後、感染症という)は、企業活動に大きな打撃を与えています。感染症の影響を受けた新しい生活様式「withコロナ」の暮らしの中で、一体、どのような物やサービスの消費が増加し、もしくは減少したのでしょうか。

 

この記事では、細かな分類まで掘り下げて消費動向を分析しています。また、記事中で紹介する統計について説明を充実させておりますので、記事を読み終わった後も、ご自身で分析される際などに引き続き統計を活用いただければと思います。

 

それでは、商品を販売する企業・事業所に対する調査結果であり、消費を供給側から把握できる「商業動態統計調査」と、世帯に対する調査の結果であり、消費を需要側から把握できる「家計調査」のデータを使いながら、次のビジネスにつながるヒントを探してみましょう。

withコロナでトレンド分かれる小売業

経済産業省の「商業動態統計調査」では、卸売業、小売業について業種別、業態別(百貨店・スーパー、コンビニエンスストア、家電大型専門店、ドラッグストア及びホームセンター)に動向を把握することができます。

 

この調査は、毎月発表されており「商業動態統計調査」の結果は、経済産業省のホームページで参照することができます。

 

各業態の前年同月比の推移

商業動態統計調査によると、昨年12月の小売業販売は、感染症の影響により、前年同月比▲0.2%と減少しています。しかし、業態別に見た場合、それぞれの特性により傾向に違いが見られます。

 

以下の4業態は、在宅需要、内食需要の継続等により増加しています。
  1. スーパー
    内食需要が継続し、主力の飲食料品が堅調だったことなどにより増加。
  2. 家電大型専門店
    空気清浄機や加湿器などの生活家電やテレビ、スマートフォンが好調であり、ゲーム機を含む情報家電も堅調だったことなどにより増加。
  3. ドラッグストア
    食品やペーパータオル、カイロ、マスクが好調だったことなどにより増加。
  4. ホームセンター
    DIY用具や暖房器具、除雪用品が好調だったことなどにより増加。

 

 

一方、以下の2業態は、外出自粛の影響等により減少しています。
  1. 百貨店
    外出自粛による入店客数減や、インバウンド需要減、閉店の影響などにより減少。
  2. コンビニエンスストア
    弁当、おにぎり、ファーストフード、おでんなどが不調だったことなどにより減少。

このように、業態別に差が出る結果となっていますが、その背景には、感染症による外出自粛の全国的な広がりや、テレワークや自宅で過ごす時間の増加等が深く関わっていることが分かります。

 

次に「家計調査」のデータを使って、具体的にどのような物やサービスが、消費されているか分析をしていきましょう。

2000年以降で最も冷え込んだ2020年の家計消費

総務省が全国約9千世帯を対象に行っている「家計調査」では、二人以上の世帯や単身世帯などの世帯別や地域別に、1世帯当たりの毎月の収入やどんなものに支出したかという家計収支の最新状況を調べています。

 

その結果は、毎月発表されており、企業における生産量の調整や商品を仕入れる際の参考情報としても活用されています。「家計調査」の結果は、政府の統計ポータルサイト「e-Stat」(外部リンク)外部リンクで参照することができます。

 

年ごとの月間の消費支出の推移

2021年2月5日に発表された2020年全体の動向をまとめた「家計調査報告」(外部リンク)外部リンクでは、全国における二人以上の世帯の1世帯あたりの1ヶ月間の支出額が27万7926円でした。これは2000年以降の本調査において最も低い数字です。

大分類別に見た2019年と2020年の月間平均支出の比較

家計調査では、家庭での支出額の内訳を品目別にグループ分けしたものを分類と呼び、品目分類別に大分類から中分類、中分類から小分類と紐づく形で消費支出を細かく分類しています。例えば「食料」では、中分類の「加工肉」から、さらに小分類の「ハム」「ソーセージ」「ベーコン」「他の加工肉」と、具体的な項目まで調べることができます。

 

2020年の消費支出では、2019年と比較していわゆる巣籠もり需要の恩恵が大きかった家具・家事用品は9.2%増加となった一方で、10の大分類のうち4分類で10%以上の激減となりました。

小分類で見る、家計消費のトレンド

前年同月と比較して、支出額が落ち込む分類の中でも、小分類で見ると支出額が増加したものもあります。ここでは同じ中分類の中で増加と減少が大きかったものの例を見てみましょう。

(項目1)医薬品

《増加》外傷・皮膚病薬

《減少》感冒薬

医薬品の消費支出における「増加」と「減少」

中分類である医薬品の支出額は前年比で2.6%と横ばいですが、小分類で見ると、家での炊事や外出先で手指を消毒することが多くなり、指のひび割れや手荒れなどを敏感に気にする人が増えたことで、外傷・皮膚病薬の支出額が増加しています。一方で、風邪薬などの感冒薬は、感染症対策に伴う手洗いやうがいの徹底によってニーズが低下したことにより支出額が減少しています。

(項目2)自動車等維持

《増加》 自動車等関連用品 

《減少》ガソリン

自動車等維持の消費支出における「増加」と「減少」

中分類である自動車等維持の支出額は前年比で▲7.4%と減少していますが、小分類で見ると、シートカバーや洗車用具などの自動車等関連用品は、外出自粛や移動自粛があるものの昨夏から支出額を大きく伸ばしています。その要因の一つとして、感染対策のため自家用車でテレワークをするためのアイテムや車内の除菌グッズ等の、新たな需要が生じたことが推測されます。一方で、ガソリンの支出額は外出自粛や移動自粛の影響などもあり、落ち込んでいます。

(項目3)教養娯楽用品

《増加》ゲームソフト等

《減少》スポーツウェア

教養娯楽用品の消費支出における「増加」と「減少」

中分類である教養娯楽用品の支出額は前年比で▲1.1%とやや減少しましたが、小分類で見ると、小・中学校と高等学校の臨時休校が行われた3月から5月をピークにゲーム関連商品の支出額が増加しています。巣籠もり需要に加え、体を動かして楽しむゲームなど、時勢にマッチしたソフトのヒットが支出額の増加を後押ししたと考えられます。一方で、外出自粛生活による運動不足解消のため、ウォーキングやランニングなど身近な運動に親しむ人が増えていますが、その反面、運動着や登山用品など本格的なスポーツをする際に必要となるようなスポーツウェアの支出額は減少となっています。

 

また、ゲーム業界においては今後も家庭用ゲーム領域やeスポーツ領域などで市場拡大が期待され、周辺用品の需要も高まると見られており、実際に、スポーツ用品メーカーが手首用のサポートアイテムを発売したり、eスポーツ需要に特化したホテルがオープンしたりなど、異業種と絡んだ新しい商品やサービスが生まれつつあります。

最後に( withコロナ時代の経営に統計をお役立てください)

このように、「商業動態統計調査」と「家計調査」から、外出自粛期間を充実させるものやサービスの消費が好調であることや、具体的に何が消費されているかといったことが分析できます。
今月、緊急事態宣言が3月7日まで10都府県で延長されるなど、今後も感染症は企業経営に影響を及ぼすと考えられます。しかしながら、そうした中でも堅調に消費を伸ばしているものやサービスもあるということが、統計データを組み合わせることで、見えてきます。トレンドを見極めて経営判断を行う際の参考に統計を是非活用していただければ幸いです。

関連情報

事業再構築促進事業【補助金】

ttps://mirasapo-plus.go.jp/infomation/11458/

 

中小企業、小規模事業者のみなさま
中小企業庁は、中小企業の経営者を「一人にしない」相談所を全国に設置しております。

新型コロナウィルスの影響を受けて経営上の悩みを抱えていらっしゃると思います。例えば、経営改善、 商品開発、後継者がいないという悩みまで多岐にわたります。 中小企業庁が全国に設置した「よろず支援拠点」は専門家が在籍しており、 中小企業、小規模事業者のみなさまからの、経営上のあらゆるご相談にお応えいたします。よろず支援拠点は、中小企業の経営者を「一人にしない」相談所です。ご相談をお待ちしております。(詳しくは以下をクリックしてください)

https://mirasapo-plus.go.jp/infomation/10044

 

事業者のみなさま!

新型コロナウイルス感染症関連施策について、もっと簡単に「自分に合った制度」を探したい!

そのようなご要望にお応えし、事業者のみなさまを支援するため、簡単なナビゲーション形式でお探し頂けるページを公開致しました。ぜひご活用ください。

 

> 「新型コロナウイルス感染拡大 あなたに合った支援