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「補助金の申請事例・ものづくり補助金⑤」 ~ マシニングセンター導入により、小ロット・短納期を実現~

補助金虎の巻
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ものづくり補助金の事業計画書をつくるのは、大変な作業です。しかし、補助事業を通じてやりたいことを第三者に分かるように文章にしていくことで、頭の中が整理され、企業のめざす方向が明確になることもあります。

今回は、マシニングセンターの導入にあたって、ものづくり補助金を活用した事例をご紹介します。事業計画書・申請書類は、社長が自分でまとめたものです。
実際の申請書類を見せていただきながら、作成のポイントについてご紹介します。

※申請種類は、申請当時のものであり、書式は現在と異なります。

申請補助金 平成24年度補正 ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金
補助事業 金型の内製化により、冷間鍛造部品の短納期、低コストでの開発力を強化する
申請者 福地金属株式会社 代表取締役 福地 守
補助金交付額 10,000,000円
福地金属株式会社

福地金属株式会社

所在地:
大阪市平野区加美北3-6-21
電話:
06-6791-7176
WEB:
https://www.fukuchi-kinzoku.jp/

補助金導入のきっかけ

金型内製化のためのマシニングセンターを導入したい

福地金属株式会社は、大阪市で冷間鍛造による部品加工をしている会社だ。冷間鍛造とは、材料に熱を加えずに常温でプレスする金属加工技術。熱を加えてプレスする熱間鍛造・温間鍛造と比べると高精度な加工ができるが、一方で複雑な形状の加工は難しいという欠点がある。

福地社長

「近年は、冷間鍛造の加工ニーズも複雑化・高度化しています。単純な形の部品は海外生産が中心になっており、国内メーカーは価格競争に勝てません。」

このようななかで、生き残りの鍵を握るのが「小ロット・短納期・難形状」である。これを実現するためには、「金型の内製化」が避けては通れない。金型づくりに欠かせない機械設備の一つが、マシニングセンターだった。
平成24年、マシニングセンターの導入を検討していた福地社長は、経営者仲間からものづくり補助金の存在を知る。

福地社長

「金型製作のためのマシニングセンターの設備導入のために、ものづくり補助金を活用したいと考えました。」

それは、社長にとって初めての補助金申請だった。

製品画像

▲ 製品

工場内

▲ 工場内

事業計画書作成のポイント

グラフ・表・写真を使って、分かりやすく書く。

事業計画の作成にあたって、ものづくり補助金の経験者である経営者仲間からは、「白黒で字ばかりの計画書ではあかんで、グラフとか使わんと」と言われた。

福地社長

「何もかも初めての経験で、どう書いていいか分かりません。アドバイスに従って、グラフや表、写真を入れて分かりやすい書類づくりを心がけました。」

はじめのうちは、補助金でマシニングセンターを入れるために、計画書を書かされているという気持ちだった。しかし、表計算ソフトでグラフをつくり、製造工程表をつくり、マシニングセンターについて調べ、製品・治具の写真をとり、計画書をまとめているうちに、これから会社がやるべきことが明確になったと言う。

福地社長

「審査員の方、第三者にも分かるように計画書に書いているうちに、頭のなかで当社の課題が整理されていくのを感じました。考えていたことを文章にすることはとても大切だと思います。」

補助事業が課題解決につながることを説明

計画書のなかで、同社が課題として最初に挙げたのが「小ロット・短納期対応」である。大手企業が苦手とする小ロット・短納期を強みにして受注を獲得していくことを目標とした。
「一般的な量産冷間鍛造部品の開発期間」と「当社が目指す小ロット冷間鍛造部品の開発期間」の比較表を記載し、一般的な開発期間の3ヶ月を、1カ月に短縮することをめざすとした。

福地社長

「本当の理想は、3日で金型をつくり1週間くらいで部品納入できるような会社です。難しいかもしれませんが、その位のことに挑戦しないと、小規模企業は生き残れません。」

マシニングセンターを導入することで、金型が内製化され納期を大幅に短縮できること、内製化よるコストダウンで価格競争力が高まることを、グラフや表で丁寧に説明していった。
そして、新規受注のための戦略として、短期間の金型開発をPRし、「生産ロット500個以下、年間3,000個以下でも1ヶ月納期」「最短3週間の試作品納入」が対応可能な体制をアピールしていくことを記載した。

事業計画書類画像01

事業計画書類画像02

事業計画書類画像03

▲ 実際の事業計画書の抜粋

補助事業の効果

短納期で複雑な形状の冷間鍛造に挑戦

マシニングセンターの導入により金型を内製化したことで、短納期対応が可能となった。現在は、金型部品の共通化を図り、複数の金型部品を組み合わせることで、短納期で複雑な加工ができる体制づくりを進めているところだ。

福地社長

「ものづくり補助金により、マシニングセンターを導入したことで、金型製作のノウハウが蓄積されました。いまでは難形状のものも冷間鍛造加工できるようになりました。」

この金型部門のリーダーが社長の甥であり、後継者として期待されている福地正樹氏である。

福地正樹氏

「金型チームでは、若手メンバー3名で金型設計・制作をすすめています。いまのチームの課題は、冷間鍛造の技能承継です。小ロット・短納期は当然として、複雑化・高度化する冷間鍛造のニーズに応えていくことが、当社の生き残りの道と考えています。」

金型のノウハウと冷間鍛造のスキルをさらに高めていくことで、「こんな形も加工できるの!」とお客様に驚いていただけるような製品に挑戦していきたいと言う。

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