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補助金の申請事例・ものづくり補助金①

補助金虎の巻
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ものづくり補助金は、応募件数が多い、人気の高い補助金です。採択率は年度によって異なりますが30~40%であり、採択されないケースも珍しくありません。採択のためには、事業計画書の作成にあたっては、ものづくり補助金の趣旨を踏まえて作成することが求められます。
今回は、ものづくり補助金を利用された事業者の方と支援者に、実際の申請種類を見せていただきながら、いかにして事業計画書を作成したのか、作成のポイントはどこだったのかをご紹介します。

申請補助金 平成30年度 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
補助事業 環境制御システム導入による高糖度ミニトマトの生産効率向上への挑戦
申請者 松下農園 代表 松下弘明
支援者 静岡県よろず支援拠点 コーディネーター 竹内康博
補助金交付額 10,000,000円
松下農園外観

松下農園

所在地:
静岡県牧之原市

補助金導入のきっかけ

環境制御技術で、トマトの品質と生産性を高めたい。

松下農園の創業は、2015年である。代表の松下弘明氏は2013年にエンジニアを退職し、1年間の農業研修を経て就農した。もともと実家は茶農家だったが、作目の収益性・将来性を考え、お茶ではなくミニトマトのハウス液肥栽培に挑戦することにした。
就農・起業にあたり、松下氏は、JA、金融機関など、様々な機関から就農や経営についての支援やアドバイスを受けていた。その一つが、静岡県よろず支援拠点である。よろず支援拠点では、経営やマーケティング、自園のブランディングについて相談していたが、その時に「ものづくり補助金」の存在を知った。

松下農園トマト

松下代表

「ものづくり補助金が農業でも利用できるのは意外でした。質の高いミニトマトを作るためには、日照・温度・湿度など、ハウスの環境制御設備の導入が欠かせないと考えていたので、補助金申請に挑戦しました(松下氏)」

早速、自分なりに、ものづくり補助金のための事業計画書を作成した。その計画書を見せながら、よろず支援拠点の竹内康博コーディネーターに相談すると、厳しいアドバイスを受けた。

松下代表

「ものづくり補助金は、中小企業のお手本になる、経営のヒントになるような革新性がなくては採択されないと言われました(松下氏)」

当時のことを振り返って、竹内氏はこう語る。

竹内氏

「事業計画はそれなりに書けていると感じましたが、ものづくり補助金の事業計画書としては不足しているように感じました。もっとビジョンを明確にし、他社の二番煎じではない計画書をつくりましょうとは話しました(竹内氏)」

事業計画書作成のポイント

自園のこだわりとビジョンを明確にする。

竹内コーディネーターのアドバイスを受けて、事業計画書の「会社概要」(※1)では自園のこだわりとビジョンを明確にし、他の事業者との違い・差別化のポイントが伝わるように工夫した。
松下氏がこだわりと挙げたのが、「勘やコツを可能な限り排除し、様々な栽培データを取得したきめ細やかな品質管理」である。農園の信念に「お客様の健康増進のお手伝いをしたい」を掲げ、その信念を実現するために「環境をコントロールし、生産性の向上と品質の向上を図る」ことが必要であると記載した。

松下代表

「農業は勘や経験に頼る部分が大きい産業です。しかし、品質の安定・生産性の向上を考えるならば、客観的なデータに基づいた栽培をしていかなくてはなりません。それを当農園のこだわりとしました(松下氏)」

竹内氏

「話をしていくうちに、松下農園のめざす先に『植物工場』という大きなビジョンを感じました。それこそが、ものづくり補助金が求める『革新性』であると考えました。事業計画書では、このような革新的なビジョンに基づいて、ストーリーを構築していくことが、ものづくり補助金の申請では大切です(竹内氏)」

経営計画書画像01

▲ 実際の経営計画書の抜粋

客観的な数値で、課題の解決策を示す。

ものづくり補助金の事業計画書(その1:革新的なサービスの創出・サービス提供プロセスの改善の具体的な取組内容)では、事業の「課題」を明らかにするとともに、解決・改善するための具体的な取り組みが求められる。

松下代表

「当農園は市場出荷ではなく、スーパーや小売店との直接取引を行ってきました。そのためには年間を通じた安定供給であり、そのために安定品質・安定生産のための環境制御機器の導入が欠かせないと考えていました(松下氏)」

その解決策として、松下氏はものづくり補助金を利用した主な導入設備として、

  1. ①真夏の生産量を増加させる取り組みとして「ミスト発生装置」
  2. ②冬の収穫量増加につながる取り組みとして「2層自動カーテン装置」と「CO2発生装置」
  3. ③春秋の品質向上につながる取り組みとして「除湿機」

を挙げた。

松下農園設備01

松下農園設備02

松下代表

「植物の生育には、日照、温度、湿度、CO2等の環境要素が関与します。計画書では、一つ一つについて客観的な数値を提示しながら、設備導入によりどのような効果が見込めるかを説明するようにしました。(松下氏)」

事業計画書(※2~3)では、従来の栽培データと設備導入後のデータを比較したグラフを使い、事業効果を説明した。また、審査員が、農業の専門家ではないことも念頭に置き、専門用語はできるだけ使わないように心がけた。

竹内氏

「ただ『設備を導入したい』だけでは、採択されません。松下さんの事業計画書では、いままでの栽培データを根拠に、設備導入による品質・生産性の改善効果について客観的な数値で提示し、改善のための具体的な取組について述べています。(竹内氏)」

事業計画書で求められる「革新性」は、単なるアイデアでは不十分であり、それを実現するための具体的なビジネスプロセスが求められる。改善効果について、説得力のある客観的な数値で表現することが重要であると言う。

経営計画書画像02

▲ 実際の経営計画書の抜粋

書き方のポイント1
一つ一つ「課題」を挙げ、それに対応する具体的な「解決策」を示すことで非常に分かりやすくなっています。
書き方のポイント2
具体的な数字を挙げつつ、グラフ化することで、「解決策(取組内容)」に説得力を与えています。

根拠のあるデータに基づいた将来展望。

その2:将来の展望(本事業の成果の事業化に向けて想定している内容及び期待される効果)では、客観的なデータ、具体的な目標値が求められる。

事業計画(※4~5)では、事業計画の積算根拠を、

  1. ①ミスト発生装置の導入
  2. ②自動カーテン・CO2発生装置・新型循環扇の導入
  3. ③除湿器の導入
  4. ④栽培レイアウトシステムの改善

による効果を、具体的な数値を上げながら、明確に示した。

松下代表

「事業計画の積算根拠については、収穫量・廃棄率の目標値と、その根拠について記載しました。あくまで仮説ですが、従来の温室の栽培データと比較しながら述べることで説得力が出るようにしました(松下氏)」

経営計画書画像03

▲ 実際の経営計画書の抜粋

書き方のポイント3
導入する設備一つ一つについての事業効果を、算出根拠を明確にしつつ、具体的な数字で示しています。

補助事業の効果

収量・品質の向上だけでなく、課題意識も高まった。

令和元年9月、松下農園は25haの温室に、ものづくり補助金を活用して、自動カーテン、ミスト発生装置、除湿機、加温機、CO2発生装置、循環ファンを設置した。

松下代表

「稼働して半年ですが、収量・品質は向上しています。バイヤーさんの評価も高く、首都圏のスーパーから取引量を倍にしたいという引合いもありました(松下氏)」

1年経たないと真の効果測定は難しいが、品質・生産量も向上したと言う。また事業計画書づくりを通じて自園の強みや特色が明確になり、説得力のあるセールストークができるよなったことも大きいとのことだ。

松下代表

「当園がものづくり補助金を活用したことで、周りに挑戦しようとする農家が増えてきました。事業計画書を作成するためには、課題を見つけ、具体的な改善・解決のプロセスについて考えなくてなりません。また、自分の作る作物のマーケットや将来性についても見つめ直す必要があります。ものづくり補助金は、農家にとって課題意識を高めるきっかけになると思います(松下氏)」

竹内氏

「ものづくり補助金の事業計画書の作成は、就農・起業されて間もない松下さんにとって、貴重な経験なったのではないでしょうか。よろず支援拠点では、アドバイザーが事業者の事業計画書の策定をサポートする『伴走型支援』を行っています。あくまで主役は事業者で、私たちは裏方です。(竹内氏)」

今回のものづくり補助金の申請ケースでは、コーディネーターがアドバイスしながら、事業主の事業計画書をブラッシュアップしていった。それは、まさに伴走型支援の典型だと竹内氏は語る。

松下代表と竹内氏の相談風景01

松下代表と竹内氏の相談風景02

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