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「アンゾフの成長マトリクス」

補助金虎の巻
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新型コロナウイルスの感染拡大により「経営環境が大きく変わってしまった」との声を、事業者のみなさまからよく聞きます。第四波の到来など、今後の見通しも不透明ななかで、環境変化に不安を抱えている経営者も多いのではないでしょうか?
経営を取り巻く環境が大きく変わるなかで、成長を続けるためにはどのような成長戦略をとれば良いのか。そのヒントとなる考え方、フレームワークの一つが「アンゾフの成長マトリクス」です。

ポストコロナ時代の経済社会の変化に対応するために、事業者のみなさまが事業計画の検討を行うにあたって、「アンゾフの成長マトリクス」を頭の中に入れておくことをおすすめします。

アンゾフの成長マトリクスイメージ

アンゾフの成長マトリクスとは

イゴール・アンゾフ(1918-2002)は、「戦略的経営の父」とも呼ばれるロシア系アメリカ人の経営学者です。彼の業績のなかで、最も有名なものが「アンゾフの成長マトリクス」と呼ばれるフレームワークです。
アンゾフは、成長戦略を「製品」「市場」の2軸におき、それをさらに「既存」「新規」に分けました。

アンゾフの成長マトリクス 図

1つ目の既存製品×既存市場「市場浸透戦略」と呼ばれています。
いままでの市場に、既存の製品やサービスを投入して、売上高や市場シェアの拡大をめざす戦略です。市場浸透戦略では、製品の認知を上げたり、購入意欲を高めたりすることが大きな課題となり、戦略の主な目的になってきます。

 

2つ目の新規製品×既存市場は、「新製品開発戦略」と呼ばれています。
いままでの市場に、新しい製品やサービスを投入して、売上を拡大しようとする戦略です。既存市場のニーズに対応した製品やサービスを開発すること、競合と差別化を図ることができる製品やサービスを開発すること、それができるかどうかが、重要なポイントになります。

 

3つ目の既存製品×新規市場は、「新市場開拓戦略」と呼ばれるものです。
既存の製品やサービスを新しい市場に投入して、勝負します。その市場に競合がいる場合は、商品力はもちろんですが、営業力・販売ネットワーク等の「売る力」が勝負を左右することも多くなります。既存製品の海外進出・海外展開は、新市場開拓戦略の一例と考えることができます。

 

4つ目の新規製品×新規市場「多角化戦略」です。
新しい市場に新しい製品やサービスを投入する戦略です。多角化戦略は、ほとんど経験のない市場で新製品を投入するため、マーケティングのコスト、製品・サービスの開発コストがかかるなどのリスクがあります。リスクがあっても新しい収益源を求める時、または求めなくてはならない時に、ハイリスク・ハイリターンの多角化戦略がとられます。

ポストコロナ時代の成長戦略

ポストコロナ時代、事業環境の激変により、ビジネスモデルの転換や新たなビジネス開発を考えている事業者も多いと思います。
事業環境が大きく変わっているので、アンゾフの成長マトリクスのなかで、既存製品×既存市場の「市場浸透戦略」はとりにくいことになります。

既存の市場にあわせた新製品・新サービスを開発していくのか(新製品開発)、既存の製品にあわせた新しい市場の獲得をめざす(新市場開拓)のか、はたまた新しい市場で、新しい商品・サービスを展開していくのか(多角化)を考える必要があります。
そのなかでも、新型コロナの影響により、現事業の「売上(市場)が消失」してしまったようなケースでは、「多角化戦略」を中心に考えることが多くなると思います。
この多角化戦略について、アンゾフは以下の4つのパターンに分類しています。

水平型多角化 既存技術と関連性の高い新製品を、既存と類似した市場に投入
垂直型多角化 既存技術と関連性の低い新製品を、既存と類似した市場(川上・川下等)に投入
集中型多角化 既存技術と関連性の高い新製品を、異なった市場に投入
集成型多角化 既存の技術や市場とは、全く異なった事業に進出

1つ目は、「水平型多角化」です。
いままでの技術やノウハウを活かしながら、いままでの市場と「類似した市場」に新製品・新サービスを投入する多角化です。たとえば、「自動車メーカーがバイクを生産する」ようなケースが考えられます。このような場合は、いままでの技術・設備・ノウハウを活かすことができ、相乗効果・シナジー効果も期待できます。

 

2つ目は、「垂直型多角化」です。
いままでの技術やノウハウとの関連性は低いものの、いままでと「似た市場(バリューチェーンの川上や川下等)」に新製品・新サービスを投入する多角化です。たとえば「スーツ販売店が、社内でスーツの製造も行う」ようなケースです。水平型と比べると、技術・ノウハウの獲得、新設備の導入などの多角化の負担は大きくなり、リスクは高くなります。

 

3つ目は、「集中型多角化」です。
いままでの技術・ノウハウとの関連性が高い新製品・新サービスを、異なった市場に投入する多角化です。たとえば「カメラメーカーが医療用レンズを開発する」ようなケースです。
集中型多角化を成功させるためには、自社の強み(技術・ノウハウ等)を中心軸にして、同心円状に事業を拡大していく戦略がとられるため、「同心円的多角化」とも呼ばれています。。

 

4つ目は、「集成型多角化」です。
いままでの技術・ノウハウ・市場とも全く関係ない事業に進出する多角化です。他の3つとは異なり、相乗効果・シナジー効果が低く、またリスクも高くなります。フランチャンズチェーンへの加盟などにより、多角化のリスクを抑える方法がとられることもあります。

「多角化戦略」

アンゾフの成長マトリクスの新規製品×新規市場の「多角化戦略」では、事業計画が「水平型多角化」なのか、「垂直型多角化」「集中型多角化」「集成型多角化」のどれに当てはまるのかを考えてみるのも良い方法です。

さて、アンゾフは、多角化戦略を最もハイリスク・ハイリターンの成長戦略としました。ポストコロナ時代の事業再構築にも、当然、大きなリスクがあります。事業戦略の策定にあたっては、計画段階で様々なリスクを想定することが大切です。

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